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2010年12月22日 (水)

宇宙戦艦。

個人的に変な因縁のある作品だし、話題になり過ぎているし、CG業界にいるわけだし、見ないわけにもいかなくなっちゃったじゃないですか。

ってことで観てきたんですがね。宇宙戦艦の映画。
ヤマトをこれから観ようと思っているけどまだ観てない人で、変な先入観を持ちたくない方は、読まない方がいいと思います。まあ、大したこと書けないけど。









いやあ・・・・・。


実に月並みな感想ですが、

 VFXに激しく燃え、
 映画そのものには激しく萎える。

という感じでした。

あっ この感じ、2012と同じじゃねえかっ
エメリッヒの映画だったのかヤマトはっ?

VFXは凄かったですよ。VFXはね。 作り手の中には知っているお方もいるのですが、心の底から敬意を表します。

俺はリアルタイムヤマト世代ではありません。再放送で見てましたね。「地球滅亡まで、あと何日」とかなんとか、すごく覚えていますね。 ある因縁もあって、2年くらい前にそのオリジナルTVシリーズを全話DVDでじっくり見ましたが、なつかしいなあとか、昔はアニメってこんな感じだったよなあとか思いながら最初は楽しく見れていたんですが、後半はだんだんと見るのがつらくなってきていました。なんというか、強引過ぎたり、唐突過ぎたり、荒唐無稽過ぎたり・・・・いや、ヤマトというアニメはこんな感じで良いとは思っているのですが、でもやはりあまりにも時代が違い過ぎるからか、根底にある価値観の違いや、ごく自然に見えるもの・逆に違和感を感じるものの基準点が自分とはかけ離れ過ぎてて、視聴を続けるにはかなり気力が必要でした。

今回の映画もそんな感じ。 半分過ぎた頃から、早く終われ~ 小便したい~ などと思っていました。VFX祭りを楽しんだというだけの映画でした。





ストーリーは一直線すぎましたよね。伏線があるでもなく、最初わからなかったアレが実はコレだったのかなどという驚きもなく、全ての出来事が秩序正しく順番に起こる、とてもリニアなお話だったと思います。 俺は頭の回転が遅いため、難しい構成になったり伏線張りすぎたりするとすぐに話を見失っちまう人なので、こういうリニアな展開は本来は好きなはずなんですが、さすがにリニア過ぎて、ワクワクしない、ときめかないと感じました。

そして、実に唐突。全ての出来事がすごく唐突に起こる印象を受けました。 積んで積んで積んで・・・・温めて温めて温めて・・・・ボルテージ上がり、来た! という感じが無い。  アレはどうなったんだ? あのままでいいのか? どきどき・・・とうとう来た! とかいう感じもしない。 はいこれ来ました。次はこれ来ました。ちなみにその次はこれ。ところで次はこれ。 という風に淡々と、実に唐突に物事が起こる感じ。 こことここの間に数ヶ月があるんだな、とかそういう時間の流れも感じず、苦しい苦しい戦いを生き抜いてたどり着いたんだな、という印象もなかったです。 14万8千光年というとてつもない距離を、こともあろうに戦争しながら旅しているんだぜ、しかも相手は正体不明なんだぜ、という状況がまったく実感を伴って伝わって来ない。これは残念だ。

だから沖田艦長のあの名台詞も、ちっとも心に響かないんですよね。 ヤマトをやったら沖田がこれを言わないわけにはいかないので、これを自然に言わせるだけの積み上げが、どうしても必要なんですがね・・・。 息詰まる闘いの連続、途方も無い距離の旅路、絶望に襲われそうになるクルー、そういう重い描写を丁寧にやらず、散った者たちへの鎮魂も無しに、ただ「なつかしい」と言ってもダメっすよ。

キムタクさんの長台詞の演説も、ううむ、キムタクさんがヤマトに乗ることになった経緯やら、兄貴への思いやら、仲間への思いやら、もっとカットの積み上げがないと、ググっと来ないですよね。 唐突に、ひとりで、とり憑かれたようにアツいことを喋り始める。全然感動しません。  あっ、これ、いかにもアメリカ人が好きそうなひとりよがり演説をブチあげるID4の大統領と同じじゃねえか。そうか、やはりこれはエメリッヒの映画だったのか。







リアリティということを考えると、そりゃもう突っ込みどころのオンパレードなんですが、ここら辺は「ヤマトだから」ということで正当化されるんだろうなあ。 いや、それ自体には反対しませんが、まあちょっと、笑えるくらい、突っ込みたくなるヤマトでしたw

戦闘班長兼艦長代理が自ら戦闘に出撃! ヤマトの伝統としてこれは外せないからしようがないのかなあ。 あっ、これ、自ら戦闘機に乗るID4の大統領と同じじゃねえか。そうか、やはりこれはエメリッヒの映画だったのか。

人材育成の全くなってないヤマト! 艦長代理はもちろん出撃! 技術班長は自ら爆弾仕掛けに行き戦死! 普段第1艦橋にいる、つまり作戦や操船の指揮を執るトップの人間が常に最前線! 若手クルーは何をやってるんだ! 親分を外に出しちゃいかんだろ! 使えない若僧ども! 烏合の衆! ダメスタッフの集団!  いや、これもヤマトの伝統だよな・・・・。
重要人物が自らアクションしないと映画にならないのはよくわかる。仕方ない。よくわかる。よくわかるが・・・・・笑ったw

ガミラス捕獲! これで敵の正体がわかる! でもロクに調べもせず素手で触るな! 検疫とかしねえのかよ! ほらみろ、やられたじゃねえか!

地球に還ってきたヤマト! 嬉しい! 感動! あまりの感動に船員一同、敵への警戒を怠りまくり! 相原、お前レーダー見なくていいのか! ほらみろ攻撃受けた! 大破してるじゃねえか! 全員でボケっと地球見てるな! お前ら軍人だろ!

風紀乱れまくりのヤマト! 
クルーは毎日酒びたり! しかも古代や島など第1艦橋にいる重要な地位の連中や、森やその他戦闘になったら真っ先に出撃しなければいけない連中が、一緒に酒呑んでていいのかよ! せめてひとりずつ交代にしろ! 
戦闘班長自ら規則違反、いやマトモに考えれば軍法会議で重罪になるくらいのことをしでかして営倉入り! でも営倉で酒も呑める自由なヤマト!
こら古代と森、こんな重大な時に部屋でヤっちゃったのかよ! もはやヤマトに風紀無し!

クライマックスで波動砲のトリガーを握るキムタク! 向かい風を受けて髪の毛が盛大に踊っている! 第1艦橋の中は風が吹くのかよ! 昔のTMレボリューションのPVみたいだ!  まあこれもアニメ原作だからやらねばならないでしょうなあ。にしても笑ったw 流背にならなくて良かった。




出演者の大根役者ぶりにもなかなか参った。 これはヤマトに限らず日本の映画はみんなそうだという気がするんですが、オーバーアクション、オーバーリアクションが過ぎますよね。 上手いたとえではないかも知れないけど、仮面ライダーとか子供向けのヒーローもので、主人公やその周辺にいる正義の連中の喋り方、あのクサい喋り方や身振りってあるじゃないですか。最近のヒーローものはちょっと変わって来てるかも知れないけど、伝統的なあのクサ演技のことね。 それがこのヤマトにも全編散りばめられていましたね。 本当は、呆れるほどアツい男たちには逆にすがすがしさを感じるはずなんですが、というかそのためにあのクサ演技が存在するはずだと思うんですが、全然すがすがしくは無く、単に「ヘタクソな芝居」に見えちゃうんですよね。

「右舷、敵機です!」とかいう緊迫した状況を報告するその顔や、言い方。 女キャラの場合は、軍人にあるまじき、本当に困ったような怯えたような顔をしている。レーダーを見ていなきゃいけないのに、振り返って古代の方を見ながら言う相原。明らかに古代に助けを求める顔をして言うのだ。ダメだこりゃ。 男キャラなら、眉間に必要以上にシワを寄せたり、必要以上に目を見開いたりして絶叫する。 「ヤマト、無事です!」とかそういう嬉しい系の台詞の言い方や顔も同じ。

ブラックタイガー隊の連中の、古代を慕う演技とか、士気高く血気盛んな様子を見せる演技とかも、あまりにも大根。

 

古代と森の接吻の前の、森の台詞そのものと、その言い方なんて、もう、聞いてられなかった。

隊長と、憎めないタイプの隊員が、おどけた会話をしているうちに、隊員は奇襲を食らって戦死、というパターンはやはり伝統なんだろうか。柿崎へのオマージュか? このパターンをどうしてもやりたかったのかなあ。そのためにわざわざ「訛ってねえっスよ」のキャラを作ったのかなあ。 芝居が良ければ素直に見れたかもしれないけど、あまりにもベタなキャラでベタな芝居だったので、結末が少し予想できた気がしました。

言い争うようなシーンでの台詞まわしですが、相手の台詞にカブせるように次の台詞を喋って欲しいのに、ひとつひとつ台詞を待っている感じもすごく気になりました。 これはヤマトの台詞ではなく説明のための例ですが、「しかしそれでは犠牲が多すぎるだろ!」「だったらどうすりゃいいんだ!」 みたいな言い争いをする時は、「多すぎるだろ」を最後まで言い終わらないうちに次の「だったらどうすりゃいいんだ」をカブせて言い始めて欲しいじゃないですか。 でもそうじゃなくて、「しかしそれでは犠牲が!」~ひと間~「だったらどうすりゃいいんだ!」 という感じになっちゃうんですよねえ。 リアルな言い争いで、「犠牲が!」で言い終わることなんてまずないですよね。「犠牲が出すぎるだろ!」まで言おうとしますよね。でも言い終わらないうちに、激昂した相手がカブせて怒鳴り始めるから最後まで言い切れない感じになる、というのがリアルな口論の会話だと思うんですが、アニメはこのリアルじゃないパターンがよく出てくるので、長年違和感を感じていました。日本の映画やドラマでもよく見ます。今回のヤマトもだいたいそのパターンだったと思います。 これ、なんとかならんのかなあ。 まあヤマトの場合コテコテの熱血アニメ風にしたくてわざとそういう演出をしてるんでしょうが、実写でやられるとキツいものがあるなあと感じています。

冷静なやつがいないというのも、どうか。 みんな熱血で絶叫、みんな顔をしわくちゃにして大喜び、みんな泣き崩れ、みんなすげえ怯えた顔をする。 絵に描いたような喜怒哀楽野郎ばっかりです。 淡々と、冷静に見えているけど、実はググっと喜びを噛み締めている、とか、実はゆるぎない意思のもと覚悟を決めている、みたいな、そんな顔があまり出てこなかったと感じました。ここもリアリティに欠けるし、平板な印象になってしまうと思いました。 

冷静で淡々とした芝居でいい味を出していたのは沖田艦長くらいか。山崎努の演技は好きでした。さすが、という感じ。 西田敏行もあれでいいのではないか。最後のガクッと崩れ落ちる死に方は笑ったけど。 緒方直人はクサクサ演技の真骨頂だったので見ていて痛くてしかたがなかったが、島というキャラクタを考えるとアレでいいのかなあ。でももうちょっとどうにかなるよなあ。 柳葉敏郎は、真田だからたぶんアレでいい。最後まで一貫して、明らかに真田を意識した喋り方になっていたし。彼は比較的冷静だったキャラか。 キムタクは、キムタクのキャラで演技している所は全然嫌いじゃない。昔からのヤマトファンの中には、古代のキャラクタとして納得行かない人もいるとは思うんだけど、俺は良いと思った。しかしキムタクが古代のキャラとして芝居している所は、もう見てられなかった。

ここまで大根役者ぶりを見せ付けられると、やはり、「ヤマトだから」ということで敢えてこう演出したんだろうなあとは思います。でもこれを2時間以上見続けるのは、俺にはなかなかつらかったっす。

グリーン/ブルーバックの前で撮影するショットが多かったと思うので、役者さんにとっては、臨場感があって気持ちも入った演技をするのは難しいとは思います。 先日、嘔吐デスクのイベントで監督の山崎氏の話を聞いてきましたが(監督の話はすんげえ面白かった)、その時に山崎氏は「グリーンバックの撮影は舞台や落語に近い。『見えないもの』を見て演技するから」 と言ってましたね。そうだよねえ。大変だとは思います。 300 なんかもほぼ100%ブルーバック撮影だったですよね。 少なくとも SF っぽい映画においては今どき、グリーンバック・ブルーバック無しの撮影はまずあり得ないでしょう。となると、役者さんには、今までにはなかった能力が要求されているような気がします。





キャラクタの設定、メカの設定、世界の設定は、意外と好きだなあと思いました。ガミラスの、個であり全体であるとかいう話は、なんだかまるでフェストゥムのようだ。これってよくあるパターンなのかな。  イスカンダルとガミラスの関係も、すんげえ独自路線な設定でしたね。涅槃にいるあのお方はこの設定にすんなりOKを出したのかなあ。 俺は好きでしたけどね。

佐渡先生がまさか高島礼子とは! 全く前知識を持たずに見に行ったので、すんげえ焦りました。というか最初は気づかなかった。酒造先生出てこないのかな~くらいに思ってたら、高島礼子が白衣着てるし一升瓶持ってるし、あれ? そうなの? マジ? とズッコケました。 やっぱり今どきの映画に、酒乱のハゲ親父を出すわけにはいかないのかな。別にいいと思うけどな。 でも、良い。いやあ、この佐渡先生、良い。俺も病気になりてえ。負傷してえ。

その他もオリジナルとは男女が変わっている人、いましたよね。相原とか。 そうかあ、実写化の時はこういうアクロバットもできるのか。すげえ。面白いですねこれは。

アナライザーが iPhone アプリだったというのも、初めて知りました。 いいなあ、iTunes Store で買えるアナライザー。 でも iPhone に入っていたんじゃスカートめくりができないじゃないですか。 あの愛らしい筐体が無いのは少し残念な気分もしました。イスカンダルでの戦闘では外殻のようなものも出てきましたけどね。これがむっちゃカッコ良かった。イスカンダルにおけるアナライザーの最期のシーンが、映画全般を通して一番カッコ良かったかな。 装甲車に襲い掛かるバグたちのシーンも、カッコ良かったですね。絵としても、この一連が一番好きだったかな。 俺の中ではスターシップトゥルーパーズの方が勝ってますがw



涅槃のあの人は、このヤマトを観て何て言うんだろう。存命中にほぼ完成に近いものを観ていたはずだと思うんだが・・・。 「俺のヤマトを勝手にいじるんじゃねえゴルァ」という話にはならなかったんだろうか。 っていうか、このクサい演技や唐突な進み方は、やはりあの人の意向なのではあるまいかなどと勝手に想像してしまう。あの人の脚本を見るともっとすごいからな。 あるいはあの人の霊が宿ってこうなったのか。死してなお影響力を持っているかのような、恐るべし御大。









VFXはすげえ。高密度。圧倒されますね。

まずはヤマトの作り込み。ディテールの豊富さ、重厚感など。高角砲や機銃なども全部作ったんですよね? そりゃ大変だわ。 レンダリングがとてもつもなく重そうに見えます。 嘔吐デスクイベントの監督の話の時、使ったソフトウェアのリストにメンタル霊が入っていたのでメインはメンタル霊なのでしょうが、それ以外のレンダラは使ってないのかな?

ただ、レンダリングがあまりにもクッキリし過ぎに見えたんですが、どうでしょう。 フィルタで Michell か Lanczos を使ったかのような、エッジが非常にシャープなレンダリングに見えました。 テクスチャもコントラストが高めだったような気がする。 ライティングも、宇宙だから当たり前だけど超ハイコントラストだったと思います。 さらに、これもおそらくは宇宙空間だからという理由で、空気遠近が使えない。つまりフォグその他デプス系のエフェクトは封印せねばならなかったと思うのですが、これがますますクッキリハッキリなレンダリングを助長していると思います。 リアルはそうなのかも知れないけど、これだとあまりにも即物的に見える気もするし、クッキリさによるCGくささもあったかも知れないと思っています。 ウソでもいいからもうちょいデプスなり埃・塵なりなんらかのボリューム系エフェクトなどを隠し味に使ったり、エッジとかの馴染ませ処理をするとかして、もっと「匂いのある絵」にならないかな、などと考えていました。

ヤマト以外の船も作り込んであったし、背景とかもすごい作り込みのように見えました。イベントの時の監督の話では、さすがは白組、ミニチュアを作って、ミニチュア上で質感も決め込み、3Dスキャンし、テクスチャもそこから採る、ということを言っていたと思います。リファレンスとして使うとかではなく、形状もテクスチャもそこから直接採るわけですね。 ZBrush で岩を作り、それをリファレンスにミニチュアを作り、それをデジタイズしてまたCGに戻す、というようなこともやったと言っていました。 贅沢な、手の込んだ作業ですね。すごく短期間でやったようですが。




地球からの発進シーンは、燃えましたねえ。実にカッコ良い。もっともっと長く見ていたかったです。あの尺じゃ満足しません。横位置からのカメラで土煙がブワっと上がるところは、もう、ダブルアクションとかトリプルアクションで繰り返し見せて欲しかったくらいです。いやあ、カッコ良かった。

艦橋にカメラが寄っていくショットでの土だか岩の破壊は(たぶん上記の横位置のカメラのショットもそうですが)、イベントの時の監督の話では、「最初は Maya でやっていたが、さっぱり上手く行かない。なのでしかたなくここでは Max の RayFire を使った。そしたらあっという間に上手く行った」という話だったと思います。 3ヶ月 Maya で頑張り、上手く行かず、監督がゴールデンウィークにたまたま Youtube で RayFire のデモを見て飛びつき、作り直し始めて1ヶ月で完成させた、とも言っていたと思います。 しかも、担当しているのが Maya のスタッフだったので、白組の三茶チーム(Maxメイン)に土曜の夜に Max を教えに来てもらったりとかいう話もしていたと思います。 Volume Breaker は検討に入らなかったのかな? あるいは ICE じゃだめですか。ダメですよね。ショボーン

監督は「バイオリンの音が欲しくて頑張っていたが、さっぱりバイオリンの音がしてこなかった。 それは、ギターでバイオリンの音を出そうとしていたからだ、ということに気が付いた。 だからバイオリンに持ち替えて演奏したら、ちゃんとバイオリンの音を奏でることができた」 という話もしてましたね。 RayFire のようなそれ用のツールを正しく使え、ショットに合わせた正しいツールを選べ、という意味だと思います。 

ところで破片とかは RayFire でも、土煙は Maya でやったということなのかな。 RayFire で作った破片とのマスクはどうやって取るのだろう。Max 上で動きだけ作って、ポイントキャッシュかなんかで Maya に戻して、レンダリング自体は全て Mayaでやる、とかやったのかな?


イスカンダルの洞窟?を進むシーン、スケール感というか、巨大感が実に気持ち良かったです。

その後のスターシップトゥルーパーズのような宇宙人わんさか襲撃の所、イベントの時にナマのプレートを見せてもらいましたが、セットとして作られているのはほんの一部で、盛大にグリーンバックにCGを乗っけているようですね。 まあ、ここに限らず全編通してそんな感じだとは思うんですが。
使用ソフトウェアに Massive が入っていたけど、ここで使ったのかな? だと思うんだが。 詳しくは覚えてないんだけど、それほど Massive らしいショットでもなかった気がするんですが、どうですか。 つまり、敵味方入り乱れてあちこちで格闘、とかではなく、基本的にはシンプルなフロックアニメーション的とでも言うか、わーっといっぱい来て次々に撃たれて・・・とかいう、頑張ればパーティクルインスタンスでできそうな、使う人が使えば ICE でもできそうなくらいのショットに見えました。決してけなしているわけではありません。燃えましたよこのシーンは。 お話上は完全に自殺行為で笑えましたが。




エフェクト燃えました。エフェクト祭り。

スカッと気持ちいい系の波動砲だったかな? カッコ良かったけど、なんというかこう、シャープではない、鈍重な印象の波動砲も見てみたい気持ちがしました。 ぱーーんと抜けていく感じではなく、切れ味の悪い刃物でグリグリと痛めつけるかのような、重くてダルい波動砲。 コトバで言うのは簡単ですが・・・。
ジェノザウラーの荷電粒子砲を思い出す。あるいはワームホールドライバ。

搭載している火器は全部撃ってますみたいなショットも、こりゃーもう燃えます。オレンジ色の火閃・マズルがスクリーンを埋め尽くす。撃て撃てもっと撃て全部撃て。ショットが短いのが残念でした。アングル違いで10ショットくらい連続で積んで欲しいくらいでした。

ワープ開始・終了の時にヤマトの回りにモコモコ系煙が発生していたと思うんですが、アレはもっとアヤシイ変なものにできないかなあ。白い煙というと目に慣れ親しんでいるものなので、同じモコモコ煙でも、もっとわけわからん煙にした方が、なんかわからんがすげぇぞ、というハッタリになった気もします。 またもやコトバで簡単に言っちゃってますが・・・・。

冒頭付近の宇宙空間のガスのような星雲のようなアレも、綺麗でしたね。ど派手なエフェクトもいいですが、地味に綺麗なボリューム系エフェクトも大好きですよ。

と、色々勝手なこと言いつつも、色んなエフェクトがいっぱい見れたので、こりゃ楽しいです。今後のリファレンスにもなりそう。

エフェクト番長がガッツリやってくれたようなので、いずれもっと詳しいメイキング話が聞けることを期待しています。



コスモゼロだかコスモファイターだかコスモファルコンだか忘れたけど、艦載機による空中戦(宙中戦)は、動きが速過ぎというか、画面が慌しすぎて何が起こっているのかよくわかりませんでした。 空中戦のショットではありがちだと思う。 機体が一瞬でカメラの前を通過し、カメラが超クイックに振られて、カミテもシモテも関係ねえ、混戦だ乱戦だオルァ みたいな感じに見えました。 マクロスとか、ガンダムZとかZZあたりからの流れでしょうかこれは。  おそらくはもの凄い労力をかけて作り込んだショットだろうに、なんだか勢いで誤魔化しているように見られそうで、もったいない気がしました。 丁寧に描写しようとするとヌルくなってしまうし、分かりやすくしようとすると説明的になってカッコ悪いし、でも勢いがあり過ぎると起こった事象が認識できない。 このジレンマの中間の、ベストなバランスになるレンジってすごく狭いといつも感じます。難しいんだよなあ。 ちなみに俺はいつもヌルいと言われます。もっとクイックに! もっと勢いを! と言われるのですが、こんなにクイックじゃ何も認識できないじゃないか! 「目に刺さって痛い」だけじゃないか! と、一応反発します。単にベストのバランスを出せてないだけです Orz

そういえばイベントの話で、艦載機の撮影はかなり手の込んだメカを実際に作ったと言ってましたね。油圧シリンダ駆動の6軸で動くやつだっけ? 「ステルス」のコックピットのような装置ですよね。 いいなあ、その撮影風景、ナマで見たいなあ。 ステルスのDVDに入ってた特典映像でその撮影風景がありましたが、このメカはかなりの速度で動くようで、俳優さんが辛そうでした。

あ、2009年の SIGGRAPH に行った時にデジタルドメインを見学して、DD内の撮影スタジオに無造作に置かれていたこれ、
Img_0174
たぶん実際に「ステルス」の撮影に使った飛行機だと思います。思いっきり手ブレしちゃってますが。 油圧シリンダのメカは解体されて、今は人が入る部分しか残っていないということだったと思います。たぶん。

イベントの時の監督の話では、ヤマト艦載機のコックピットはキャノピーのガラスが無い状態で撮影したとのことでした。ガラスがあるとどうしてもグリーンバックの品質が落ちてしまいヌキに支障が出るとのことで、ガラス無しで撮影し、後で全部CGで乗っけたそうです。どわー、これは地味でつらい作業だなあ。

主砲の回転、やっぱり速過ぎだよね? あんなでかいターレットが、あんな速度で回ることができるのか? しかしここもやはり、リアルなスピードで回すとヌルいんだろうなあ。監督もアーティストもわかって敢えてこうしているんだと思う。 でも俺にはすごく違和感! もっと鈍重に回したい。 回転始めたら途中で寄りのインサートショット挟んで時間を盗むってのはどうかな。やっぱりヌルい印象になるかな。そこまでやると主砲が画面を持って行き過ぎるしなあ。主砲のみに注目させたいショットでもなかっただろうしなあ。難しいですね。


第1艦橋のセット(美術)は、うーむ、正直ちょっと安っぽく見えてしまったなあ。デザインとしてはよりリアルな方向に持っていったようで、オリジナルにはないパイプやケーブルのようなものがいっぱいあってなかなか良いと思ったんだけど、なんつうか、質感がマット過ぎるのかな? もうちょい金属質感を入れても良かったのではないか。カドのハゲチョロとかももっとあって良い気がする。ライティングもあるのかなあ。いかにもセット、いかにもスタジオという感じがしたんだよなあ。 もっと「匂い」というか、「色気」が欲しいと思いました。 機関室っていうのかな、波動エンジンとかはCGだったと思うけど、あそこは色気があったと思う。

あと、第1艦橋はメインの舞台なのであまり暗くすることはできないとは思うんですが、松本零士メカらしくもっと環境を暗くして、「暗闇に光る、丸い、やたら目盛りが多く刻まれている計器」とかを、もうこれでもかというくらい入れて欲しかったですね。 ま、オリジナルでも第1艦橋はそんなに暗くないのでこれでいいんですけどね。でも第1艦橋以外でもいいから、艦内いたるところで丸計器とかを入れて欲しかったです。スリーナインのようにね。

次元羅針盤があのオレンジの球でなくなっていたのは悲しい。次元羅針盤がなかったら、どうやってイスカンダルにたどり着くと言うのだ。 第1艦橋が第1艦橋らしく見える、かなりビジュアルのキーになるアイテムだと思うんだがなあ。 映画の尺の中では、劇中でこいつをかまってやるほどの尺は取れず、かと言ってキーに成り得るビジュアルを持つが故にそこにあったらかまわないわけにもいかなくなる、とかの理由で無くなったのではなかろうか。などと邪推してみる。

艦内の他の箇所ももっと見たかった。同じ場面・同じアングルが多かった気がするけど、気のせい? 予算の都合?



エンドロールを見て思ったが、呆れるほど少ないスタッフの数。 イベントの時も、3DCGが9人、エフェクト・モデリングには監督自ら関わり(ご自身も Maya 使いだそうで)、コンポジットに8人+α・・・・という話でした。 それにプラスして協力(外注)会社が5社くらい。協力会社の方もそれほどの人員は割いていない。 よくもまあこんな少ない人数で、あそこまで高密度なCGを作れましたね。ほとんど奇跡なのではないか。マジで感服します。映画の内容にはかなり??が付いてしまうけど、作り手の皆さんには最大限の敬意を表さねばなるまいなあ。 あ、「なるまい」じゃねえや。何をエラソーなこと言ってんだ俺。訂正します。心から敬意を表したいです。

役者のエンドロールを見るといつも思うのは、この「業界大御所順」とでも言うか、年功序列とでもいうか、この並び方はどうにかならんのかね。俺は違和感持ってます。もっと話の中での重要度とか、シーンごとに整理されているだとか、ロジカルな順番になってくれていたほうが違和感ないし、後から見たときに名前と役が一致して、記憶にも残りやすいんだけどなあ。  例えば西田敏行なんて、ストーリーに大きな影響なんか全く与えてないのに、なにやら地位の高そうな所にクレジットされていて違和感がありました。橋爪功もかな。  まあ、ストーリーへの影響という意味で言えば、何の影響も与えていない、毒にも薬にもなっていないキャストが大半を占めていたという印象はありますね。 大筋に絡んだのは古代・森・艦長・兄貴くらいか? こいつらだけでこの映画は成立してしまう気がする。それ以外のキャラはお話の大筋に絡むという意味では全く仕事をしていなかったという印象がある。

「照明応援」とか「制作応援」だっけ、「○○応援」というタイトルがいっぱい出てきて面白かった。かなりの人数が「応援」としてクレジットされていたような気がする。 「メインスタッフではないが手伝いをした」という意味なのかな。 あるいは「映画制作後半、スケジュールがヤバくなってから、急遽呼んで応援に駆けつけてもらった人たち」とかいう意味か。 まさか撮影中に横で「がんばれー」と応援していた人たちという意味ではあるまい。

山崎監督のクレジットは、「監督・VFX」だった。 うーむ、やはりVFX偏重の匂いがしないでもない。良いですけどね。白組の人だし。


それにしても白組の露出がすごいな。最近だともやしもんもそうだったし、CGとかVFXなんて知らなくても白組の名前を知っている人は増えてるんじゃないかな。いいなあ。誇らしいだろうなあ。嫉妬します。





以下、映画ではなく、嘔吐デスクのイベントの時の監督の話のメモからランダムに

スターウォーズや未知との遭遇を見てVFX(SFX)の道に目覚めたが、自分とは距離のある世界だった。しかしスターウォーズ帝国の逆襲のメイキングを見る機会があり、グッと身近に感じた。タミヤのプラモなどが使われていた。タミヤ使って映画作れるんなら俺にもできるんじゃねえの? と思った。   だそうです。面白い。

自身も Maya 使いであることから、紙に描くコンテではあまり決め込まず、3D上でのプリビズで検証して決め込んで行ったとのこと。役者にもそのプリビズを見せて芝居を理解させる。 今どき必須のワークフローですね。余計なことに時間やお金をかけずに済むはずなので、合理的だと思います。 第1艦橋はセットでしたが、あらかじめカメラなどを検討するためでしょう、プリビズ用にちゃんと3Dに起こされてましたね。 よし、このデータ俺にくれ。今すぐくれ。金払ってもいい。

本来のヤマトは全長250メートルくらいなんだけど、第1艦橋の内部の広さを考慮すると、全くもってあの部屋が艦橋に収まらない。なのでオリジナルとは設定を変えて全長500m以上にした。 だそうです。 あのブリッジの部屋がヤマト艦体に収まらないのは有名ですね。 あの時代、そこまで辻褄が合う設定を作ろうという風潮はあまりなかったのでしょう。っていうか今どきのアニメもそういうの多いですけどね。 3Dにすると無駄にスケールが正確だから、ちゃんと辻褄を合わせなければいけなくなることが多い気がしています。善し悪しですね。

他にももっと面白い話がいっぱいあったんだけど、メモし切れてないですね。なんかこう、すごく面白いというか、ヤバい雰囲気のある監督で、実に楽しかったです。 ただインタビュアーの嘔吐デスクの人が・・・・話の腰を折るわ、話を振っといて回収しないわ(質問して、監督が答えたらそれに対するレスポンスを見せずにソッコーで次の話題、とか)、インタビュアー側が喋り過ぎだわ・・・・ 残念でありました。 監督もけっこう話好きのようで、ほっといて暴走させた方が面白い話がいっぱい出てきそうな匂いがプンプンしているのに、あくまでも仕切るというか、ペースを監督に渡さなくて、せっかくの面白い話が少し薄くなっちまったと思っていました。もっと別のところで語って頂きましょう。BD/DVD特典映像か?




あ、それと、俺はヤマトをワーナーマイカルで観たのですが、ダメ過ぎでした。途中数回、映像や音声が乱れました。マスターがああなってるはずがないというレベルの乱れ方だったので、何かしら上映装置の不具合とかだと思います。いかんなあ。いくらレイトショー1200円だからと言って、そういうところで手抜きしてはいけません。  以前もありましたからね。 センターオブジアースだっけ、初めてのステレオ3D上映の時なんて、途中で完全に絵が止まって5分とか中断しましたからね。そのときはさすがに、返金こそなかったものの、お詫びということで無料鑑賞券をくれました。 ワーナーマイカルさん、どうにかしなさい。

そういえばワーナーマイカルの映画館スタッフは、全員ヤマトの制服を着てましたよ。へえ、凝ったことするなあと思いました。 そこまでやるなら、客にヤマト式の敬礼をするくらい徹底して欲しかった気もしますがね。
ハーフコートのようなイメージを持っていたんですが、実際は短ランみたいな、短い上着なんですね。 あれえ? もとからこんな短い服だったっけ? でもけっこう好きでした。俺も高校生の頃は短ラン着てたし。 あのでっかい矢印も、なんとなく70’sを感じてカッコ良い気がする。バイクのジャケットにしたいw 



わあ、いっぱい書いたなあ。まとまってねえや。これ書くのに何日かかったかは秘密です。
好き勝手なことばかり書いてすいません。
でも、いろんな意味で、書きたくなる映画だったと思います。
いいなあ。やっぱり作り手の人がうらやましいです。良くも悪くも、スルーされないんだから。
せっかく作っても、世間からスルーされていると、やはりがっかりしますからね。

記憶に残る映画になりそう。
と言うよりは記憶に残したくてこれを書いた気がする。





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コメント

僕の記憶に残りますた!

投稿: 神天 | 2010年12月24日 (金) 14時01分

御無沙汰っす! お元気ですか。

琉球特集やってます。
http://junkithejunkie.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-28e4.html

琉球行きてえぞノルァ

投稿: junki | 2010年12月25日 (土) 04時28分

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