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2010年7月18日 (日)

鳩ぽっぽ完結。

鳩ぽっぽの Podcast が完結しました。うーむ、長いこと楽しませてもらいました。そして勉強になった。 ルーカスさん、マジでありがとう。


本編の他、Podcast 全部、その他おまけなどが入った DVD が発売されてるようです。欲しいな。 買おうかな。




ところで割と最近アップされた Podcast #20 なんですが、キャラクタアニメーションの手法についての大まかな概論でして、まあ特段新しい話ではなかったものの、面白かったです。

以前このブログにも書いた気がするんだけど、俺の場合、アニメーションを付ける時は ポーズtoポーズ の方法ができず、いつも重心となるメインのパーツ1個か2個だけでほぼ最後までアニメーションを付けてしまい、そのメインパーツを基準にそれ以外の要素を、しかも1つ1つ足していくような方法でやっているんですね。このやり方しかできないんです。

例えば人間がジャンプして着地してキック、みたいな動きを作るときは、まず腰のコントローラだけでジャンプ~着地~キックまで全尺付けてしまいます。腰の中でも、最初はポジション、次はローテーションかな。 この時、上半身はデフォルトTポーズのままなんですが気にしない。 IK が仕込まれた足は初期位置に置き去りにされるため、ジャンプ後すぐに足がびょーーーんと伸びきってすごいことになるんですが気にしない。おかまいなしに腰だけ作っちゃいます。 
※ま、実際は、足がびょーーーんって伸びきったままだとあまりにも見づらい/やりづらいと感じることもあるので、腰と同時に足の位置もラフに動かしていくことはよくありますけどね。もちろんこの時の足の動きは完全に仮であり、後で直すことを前提にね。

これで尺の最後まで腰が出来たら、次に胸とか、あるいは足ですかね。胸とか足だけを、尺の最後まで付けてしまいます。ここら辺が終わるまでは腕なんか一切いじらない。Tポーズのまま。

胸ができたらやっと腕とか、頭とか。 


こうして1つずつ順番に、当たり前だけど主従の関係で言えば主が先で従が後という順で、作ります。 このやり方だと、腕や頭などが最終的にどうなってるのかは、作業後半にならないと見えてこないですね。


こういうやり方に対し ポーズtoポーズの方法は、まずはジャンプの前の予備動作で全身のポーズを作り、ジャンプの蹴り出しで全身のポーズを作り、ジャンプの頂点あたりでも全身のポーズを作り、ジャンプの着地とその反動でまたそれぞれ全身のポーズを作り、キックの予備動作で全身ポーズ、キックで全身ポーズ・・・・ という風に、その時間軸における全身のポーズを、経過時間に沿って1つ1つ作っていく方法ですね。 こうやってキーフレームのポーズとそのタイミングだけを先に終わらせ、その後、キーフレーム間のブレイクダウン(より細かく切ってキー間を補完する)をやるということですね。


んでね、「ポーズtoポーズ」 という呼び方はあちこちで見るのでいいのですが、俺がやっている「腰から順番に」みたいな方法の呼び方って、何かあるのかなーーと、ずっと前から思っていたんですよ。そしたらですね、この Podcast #20 で Layered って呼び方をしてたんですよ。 冒頭でも、Pose to Pose VS Layered のイントロ芝居がありますね。 なるほど、これ、Layered って呼ぶんですか。

Pose to Pose という呼び方の由来はまあそのまんまだからいいとして、Layered と呼ぶ理由を想像すると、腰の動きのように基準になるものをまず作り、その上に胸、その上に腕、みたいな、まるでレイヤを重ねるかのような、つまり下地を元に上に新たなものをかぶせるかのような方法だからなのではないでしょうかね。たぶんね。

ともかくですよ、Pose to Pose と対になる言葉が切実に欲しかったんです。誰かとアニメーションの話をする時とか、説明する時にラクですから。 ということでみなさん、今日からこの手法を  レイヤード と呼んで下さい。 あるいは、あなたの会社とかで違う呼び方をしてるなら、是非教えて下さい。



ルーカスさんがこの Potcast でしゃべっていることで、おやっ? と思ったのは、俺の聞き間違いでなければ、Layered の手法は2Dの手描きアニメータがやっている手法のCGバージョンである、と言っているところでしたね。 うーん、そうですかね? 手描き作画マンの絵の描き方って、むしろポーズtoポーズに近いと俺は認識していました。どうなんだろう。 
ま、1枚ごとにフィニッシュに近い状態まで描き込んでから次に進むのではなく、1枚1枚はラフに描いて尺の最後まで通してしまい、パラパラと動きを確認しながらまたそれぞれの絵に戻って修正していく、という作業の流れが Layered に似てると言えなくもないので、ルーカスさんはその意味で言っているのかも知れません。

話はそれますが、昔ちょこちょこ目にしていた、というか4~5年前までだと思うんだけど、ポーズtoポーズなワークフローを前提にした国産の3Dアニメーションソフトウェア、なんて名前でしたっけね? タイムラインがタテ方向だったような気がする。 フルボディ IK 的なことができたんじゃなかったっけ? トラディショナルな作画ワークフローに近い感覚でアニメーション付けが出来る、とかいうのが売り文句だったような気がします。 気になりながらも、ついに一度もいじったことがないまま、最近はあまり見かけなくなったような気がします。 ちょっといじってみたかったな。


ルーカスさんによると、どちらの手法を採るのかはショットによりけりだそうです。 1つ1つのポーズがはっきりしていて、そのポーズでしばらく止まるような動きの時は、ポーズtoポーズでやるそうです。 それに対し、キャラクタの動きが連続的に流れているような場合は Layered でやるそうです。 彼の場合、カートゥーン的なパキパキした動きの時はポーズtoポーズが上手くいき、スムーズでリアルな傾向の動きは Layered が上手くいくそうです。 どちらも試して、上手く行くほうでやるのがいいよ、でもその中間で上手く行くなら、ショットによって両方の手法で行ったり来たりできるのでそれがベストだ、という意味のことも言ってますね。 また、ポーズtoポーズな人は、ポーズtoポーズでやっておきながらも最終段階では Layered っぽいやり方で仕上げをし、逆に Layered な人は最初だけポーズtoポーズのやり方でいくつかポーズを作ってから Layered な作業に突入していくことが多いだろう、みたいなことも言っています。 聞き間違いでなければ。


まあ、要は両方できるようになっておいて、そのときの場合によって使い分けろということを言っているんですよね。やっぱそうだよなあ。偏っててはいけないですね。 うひゃー まだまだベンキョすることが多くて気が遠くなるよ。おぢさんにはつらいですほんともう。 っていうか若い頃から場当たり的にやってばかりで、系統立てて訓練してこなかったツケですねそうですね。 専門学校とかでこういうことを系統立ててやるのがいいんじゃないのかなあ、などと思ったり。

ポーズtoポーズを練習するには、海外のアニメーション習得コースとかでよく見る、二人の会話とかキャラひとりで喋っているようなショットでやるのか良さそうな気がしますが、どうですかね。 大げさなジェスチャーをいっぱい入れながら喋るようなやつね。 




その次の Podcast #21 もすんげー面白い。 どのカテゴリにも含めづらいために今までの Podcast で出てこなかった話とか、視聴者からの質問に答える形の話とかですね。 これもまた後日、じっくり見直そう。

なにせルーカスさん早口だから、気合入れて聴かないと内容がわからないんですよね。何度も何度も巻き戻しが必要。かなり疲れます。 早口というよりも、次の話題に行くときに「間」がないんですよね。だから内容を咀嚼している間に次の話になっちゃって、一時停止と巻き戻しの連続になります。疲れます。 でも疲れる価値のある Podcast です。





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コメント

どうもです。
連日お邪魔してすいません…。

実は自分本職はアニメーターだったりするので、ついつい反応しちゃいました。
(といっても最近はアニメーションつけるよりもほとんどツール開発ばかりやってるのでなんですが…)

腰から先につけていくやりかたレイヤードっていうんですねー。
おかげ様で長年の疑問がまるっと解消されました。

レイヤードは自分もよくやってました。
自分の場合は必要ないところは表示ごと消してました。
なので下半身だけキャラとか腕無しキャラとか変なのがよく作業画面に表示されておりました。(;´▽`A``

特に人型に近いんだけども、触手とかアニメーターの立場からするとイラっとする付属物が沢山あるキャラクタなんてこの手法が有効だなーと思います。
付属物でごまかさない(又は動きをつけているアニメーター自身がごまかされない)為にも身体の動きの根本を意識できるのが最大の利点ですよね。
逆に、junkiさんも仰られてるように最後まで完成形が見えないという点もあるので、最終的に全体像がどうなるのかっていうことを最初からイメージが出来てないと難しいということでもありますねー。


ちなみに、『国産の3Dアニメーションソフトウェア』ですが、セガの『Animanium』ですかね?
http://ascii.jp/elem/000/000/324/324012/index-2.html
たしか、たまにCG Worldの背面に広告とか載ってましたねー。
最近はまったく見ないので調べてみると『2008年5月31日をもってサポート終了』のようでした。
南無(=人=)

投稿: モチオ | 2010年7月18日 (日) 04時47分

もちおさんどうぞ連日お立ち寄り下さいまし。

やはりアニメータなお方だったんですね。タンジェントくんとか作ってるから、アニメータかキャラTDのような人なんじゃないかと想像していました。
「本職はアニメータ」と言い切れるあたりが実に嫉妬します。俺、本職ありません Orz  比較的モーションな人間だと思われることが多い気がしていますが、弱小チームなので実際は何でもやらねばならず、良く言えばジェネラリストなんですが、実のところは広く浅く食い散らかしているだけというのが現状です。なんとかしねえとなあ。

そうだ、アニマニウムです。それ。
もう開発は終わっているんですね。



ところで暑いしビール呑み会やりましょうよ。

投稿: junki | 2010年7月19日 (月) 12時15分

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