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2008年11月26日 (水)

3DQuakers。

最近、3DQuakers.com のリグ関係のチュートリアルビデオを集中的に見てるんですがね。

ここのチュートリアルビデオは、DTi3D と違って、ちゃんとわかってる人が作ってるように見えますね。表面的な知識ではなく実際にありそうな、もしくは確実にあるシチュエーションに基づいているという意味では、まずまずクオリティは高い、かな。 Rigging Pro / Scripting101 / Automatic Rigging の3本を見た感想であります。


● Rigging Pro
 

なかなか良いチュートリアルビデオでした。 2速歩行の人間型のリグを作るチュートリアルです。フットロール、IK/FK ブレンドなどはもちろんですが、主要な全てのパーツににのびのび機能があり、上腕・前腕・腿・脛・首には自動ツイスト機能もあります。鎖骨自動上げ機能とかも。その他カスタムパラメータを色々仕込んで、細かい調整ができるようになってます。もちろん完成したリグのデータも付属しています。

まだ通して見ただけで、ビデオ中に出てきた個々の案件を実験してはいないのですが、なるほどねえと唸らせるようなアイデアに満ちていますね。 このリグがどれだけ融通の利く良いリグなのかはまだ試してないのでわかりませんが、そのまま使うことが大事なんではなくて、アイデア・発想・着想を得られるのが大事なわけでしてね。

パッと見たところスケールで全体の大きさを変えられるのかがちょっと疑問で、それができないとかなり痛いことになるが、まあ試してみるか。
・・・・さっそく試してみました。ダメっす。スケール効きません。リグ全体を拡大縮小すると壊れます。これは自分で解析してインプリメントするしかないですね。


個人的には、メッシュを実際に変形させるデフォーマの階層と、ユーザがアニメートするためのコントローラの階層が、1:1の対応でそれぞれ独立して存在していて、かつ階層の中で SRT を素直に受け継ぐ感じのリグが好きですね。 前者は、ショットの必要性に応じてコントローラの親子の組み換えるだけでかなりリグを変えられるという柔軟性につながります(アニメーションの再利用は限りなく不可能に近くなりますが)。スケマティック上でわかりやすいという利点もある。 後者はリグ全体もしくは部分ごとにスケールを変えられるってことですね。


この Rigging Pro のリグは、どっちもダメ。デフォーマもコントローラも同じ階層の中でごちゃ混ぜだし、スケールも効かない。 なので好みではないんだけど、まあそのまま使うことはないからいいです。部分部分でアイデアを盗ませて頂きます。

難易度は初心者向けとは言い難いかな。自力で一度もリグを組んだことがない人がオベンキョのために見るビデオではないな、と思いました。ひとつひとつ解説するというより、どんどんどんどん進む感じがある(解説自体は丁寧にやってますが)。気を抜いて見ていると置いていかれる。詳細解説付きリギング実演ショーを見ているような感じかしら。プロダクションチャレンジを見ているかのような・・・。 あまり横道にもそれず、1体のリグを作ることにひたすら集中して、ざくざくと進めて、サッと終了しています。

それとこのビデオは純粋にリギング(=動かす仕組み作り)だけに焦点を当てているので、スキニングは含みません。つまりエンベロープやそのウェイトに関する話は一切出てきません。



前にも書いたけど Adam Sale さんによる  Advanced Character Rigging (ACR) vol.1-4 (3DTutorial.com) はスキニングも含んでいるし、Shape なども使うし、より包括的です。Rigging Pro はリグのチュートリアルというより、超特定用途のリグ作りの過程を披露しているだけという感があります。これはこれで良いけど、ACR と Rigging Pro のどちらか一方を選ぶなら、間違いなく ACR です。ACR は神です。



ちなみに、ちょっと前にも書いたように 3DTutorial.comのビデオはすでに販売が終了していて、現在は Letterbox Animation という会社のホスティングにより無償で配布されてますね。ライセンスキーは 3DTutorial.com のジョーさんのブログで配布。詳しくは XSI Base のこのスレッドで。
ただし最近ダウンロードが始まったばかりで、3DTutorial.com で昔配っていた無料のビデオと思われるもの以外はまだアップされてませんね。毎週ちょっとずつアップしていくようなことを言っていたので、ACR もそのうちダウンロードできるでしょう。いいなあこれタダで見れる人は。おれは買いましたよ4本とも。



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営業妨害をするようで気が引けますが、DTCharacter Rigging in XSICharacter Enveloping in XSI はマジでうんこです。どシロートもしくは表面的な知識しか持っていなくて実際のプロジェクトに関わった経験が無いと思われる輩が作っています。買わないほうがいいです。金返せこの野郎。
ってういか、あれ? DT のラインナップからこの2つが消えてるな? 似た感じの製品があるからそちらに統合されたのか、あるいはあまりにもデキが悪くて引っ込めたか・・・。 前者だとしたらきっとこの Character Setup in XSI だと思う。使っているマネキンみたいなキャラクターも同じだし。 もし内容が当時と変わってないとしたら、お客さん、これは買っちゃダメですよ。うんこですよ。 きっと DT の人はお約束のように 「いや、これは、ほら、取っ掛かりをつかむためのチュートリアルですからね、実務にそのまんま適用することを目的にしていないですからね・・・・」 みたいなことを言うんだろうけど、だったらてめぇ一回くらい実務に使えるものを作って見やがれゴルァ
・・・・などと散々言いたい放題しながらも、 ICE のビデオはさほど悪くありませんでした。


リグ関係のチュートリアルビデオと言えば、実はだいぶ前に 3DMastermindCharacter in Motion も買ったんだけど、こっちはまだ全部見てないんだよな・・・・。 前半は初歩的過ぎて眠くなります。後半はどうなんでしょう。これから見ます。

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●Scripting101

その名の通りスクリプトの初歩なんだけど、これはあくまでも続編の Automatic Rigging につなげるためのもので、単体で見た場合、スクリプトの超超初心者には多少参考になるかもしれないけど、そうじゃない人にはほぼ意味ないな、という感じでした。

ずばり、冗長。

ごくごく初歩的なスクリプトの話を延々とやっていて、しかも題材が総括的なわけではなく、あくまでも Automatic Rigging で必要になる題材だけを取り上げているので、スクリプト入門として捉えた場合はデキが悪いと言わざるを得ません。スクリプトのことを少し知っている人ならもう不要だと思います。

しかもあまりオブジェクトモデルを使わないんですね。 目的はあくまでも Automatic Rigging の序章だからこれでいいんだろうけど、コマンドモデルのかったるいスクリプトをいっぱい見せられて、実にダルい感じがしました。

でも逆の見え方もちょっとあって、「ああ、目的を達成できるなら別にオブジェクトモデルにこだわる必要もないかもなあ。実行速度も今のマシンなら別に問題なさそうだしなあ」 という気もしてきました。 コマンドモデル撲滅委員会としては複雑な気分であります。

ともかくだ、このチュートリアルビデオは多少値段が上がってもいいから続編の Automatic Rigging と統合しちまうべきでしょうなあ。単体では商品価値があまりにも低い。



●Automatic Rigging

じゃあこの Automatic Rigging の方は商品価値が高いのかと言えば・・・。 実に微妙。

内容は前作 Scripting101 の続き。 別製品だけどあくまでも続きであることを前提にしているので、何の前振りも紹介もなく唐突に始まる。ううむ、やはりこの2製品は統合するべきだ。

内容は、前作で作ったリグのガイドに従って実際のリグを構築していくためのスクリプトを書く、というものです。 最終的に出来上がるリグは、前述 Rigging Pro に出てきたリグです。 XSI に標準で付いてくるガイドとリグのワークフローに例えて言うと、XSI の Biped Guide に似た独自のガイド階層をスクリプトを通して作るのが前作 Sctipting101 で、Biped Guide から情報を読み取って Biped Rig を構築するためのスクリプトを作るのが今作です。

Rigging Pro では概念を説明しながら、手作業でリグを作りました。Scripting101 とこの Automaric Rigging の2連作は Rigging Pro と同じことを、スクリプティングを通してやりましょう、というコンセプトのようですね。

スクリプティングを通してリグを作ることの重要性・有益性はずっと痛感していましたし、ごくごく低いレベルでは実践もしてきました。ぬるぬるボンデージ緊縛エクスプレシオンEKC などのプラグインはその過程で出来たものです。だってね、リギングするために毎回同じ作業を手でやってられなくなるしね、ある程度自動化するにしても毎回ワンオフのスクリプトを書くのも大変だしね。 ガイドに従ってボーンを生成してコンストレインの関係まで作っちゃう、程度のスクリプトは汎用として持っておくのがよかろうと。その意味では参考になりました。


でもね、ビデオの中身は前作に続き、呆れるほど冗長なんですね。ほんと、Riggin Pro で手作業で構築したものをスクリプトでそのまんま置き換えてるだけです。 まず手作業でやる。するとスクリプトエディタ内にコマンドのログが残る。そのログをコピペして名前の部分だけちゃちゃっと書き換える。基本的にこれの繰り返しです。同じ作業がいっぱい出てくる時はさすがに function などを使ってサブルーチン化しているけど、工夫と言えばせいぜいその程度。しかも同じような作業が全身の各パーツごとにあるわけで、よくまあこんなに冗長に同じ作業を見せられるなあと呆れてしまいます。眠くなります。っていうか寝ながら見ています。 カスタムプロパティの作成や UI の作り方も説明していますが、シロートながら今まで散々スクリプトを書いてきた身としては、これも特に新しい情報ではない。

せめてオブジェクトモデルをメインに使って、どう取得していいのかわからなかった Object への辿り着き方とかその辺の参考になればありがたかったんですが、そういうのは全くゼロですね。なんてったってコマンドのログをコピペしているだけですから。 また、題材がリグなので SRT だの Transform だの Matrix だの UpVector だの、そういう分野の概念を理解するための補助にならないかしらという淡い期待があったんだけど、これもまたゼロですね。なんてったってコマンドのログをコピペしているだけですから。

ってことでまずまず参考にはなったものの、うーむ、値段に見合うほどの価値があるかどうかはかなり微妙。

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3DQuakers のチュートリアルビデオの悪いところは、全部ノードロックなんですねえ。起動しようとするとハードウェアの構成を元にキーが生成され、それをメールで送ると1日以内くらいにライセンスキーが戻ってくるというしくみです。XSI の SLP と同じような感じですね。でももちろん、ライセンスのアクティベートやディアクティベートなどという高級な機能はありません。 結果、1台のマシンにしかインストールできないわけです。ラップトップにも入れて見るとか、会社と自宅のマシンの両方で見るとかはできません。 他のマシンへのライセンス移動は認めてくれるのかしら。

それと、全くどーでもいいことですが、3DQuakers ってのは Quake、つまり地震・震え、つまり 「3DCG の世界を揺るがすスゲーやつら」 くらいの意味が込められているんだろうなと思いつつ、気まぐれに手持ちの辞書ソフトで調べてみたら、

  quaker
  《名》クエーカー,震える人,未成熟コーヒー豆,ペンシルベニア州人,うんこ,便

   (辞書ソフトよりコピー&ペースト)


  う・・・・ うんこだったんですかっ ( ; ゚д゚)




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