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2008年9月12日 (金)

生産挑戦報告。


思いっきり旬の時期を逃していますが、先日の SIGGRAPH2008 に合わせて開催された Softimage Production Challenge のことを書いてみます。


イベントそのものの詳細は、 http://softimage.com/events/sig08/prod_challng.aspx に書いてますね。
結果に関しては、 http://community.softimage.com/showthread.php?t=1991 で。


Softimage Production Challenge 2008 の会場は、LA のダウンタウンにあるホテルシェラトンの地下にある会議室でした。

開始が午前11時。 我々が LA の空港に着いたのが 10時。 自力で渡航しているならさっさと移動しちまえばいいんですが、今回は某社の主催する SIGGRAPH視察ツアーに便乗しているので、ツアー全体の行動に合わせなければいけなくてね。 入国審査やら何やら終えて、そのままバスに乗って SIGGRAPH会場まで行って登録を済ませ(これをしないと SIGGRAPH に参加できない)、昼飯食って、もろもろ終了したのが 14:00くらいじゃなかったかな。すぐにシェラトンに行きました。

シェラトンはわりと高級そうなホテルが立ち並ぶ、ダウンタウンの中でも比較的綺麗そうな場所に建っていました。
      ↓ LA ダウンタウンのホテルシェラトン。



大きな地図で見る

会場になっている会議室の前で、ずかずかと入って 行ってもいいんだろうかと 思案 しながらちょっとウロウロしてたら、係の人が中から人を呼んでくれて。

出てきたのは Softimage のジェニファーさんで、ステキ な笑顔で迎えても らいました。 ジェニファーさん、超親切&超キュートheart01 

 「会場内の写真撮ってもいいですか」とか聞くと、にっっっっっっこりと笑って Definitely yes! だって。 いやあ、こういう人がいると、場が明るくなりますねえ。 翌日以降の SIGGRAPH 会場での Softimage のブースでも、NICE ICE の参加受付でまた親切にしてくれたり、いやあ、惚れました。 若干お体のヴォリュームがダイナマイト過ぎる気もしますが、人柄が美しいとそういうことは関 係なくなりますね。  是非アビッドジャパンに転属されて下さい。



会場に入ると、Production Challenge はすでにかなり進んでいて、本当は一番見たかった 「 作り出し 」 の部分は見れませんでした。 「最初のひと筆」って言うんですか。 モデリ ングは Sphere から作るのか Box から作るのか Grid から作るのか。 カメラ決めてから動かすのか、動かしてからカメラ決めるのか、とかそういうのが見たかったんだよねえ。でも仕方ない。





手前、左から
Greg さん from Janimation。
Todd さん from Pysop。
David さん from Sony Pictures Imageworks。
Brad さん from Janimation。

そして今年も XSI マエストロ4人はこの方々。
彼らについての詳細は先ほどの公式サイトにあります。

超ナイスガイな4人です。 同行したうちの若いもんが David さんに写真を撮りたいと申し出ると、席を外していた他の3人も呼んでくれて一緒にポーズとってくれたりしてました。




4人で あーだ こーだ言いながら、観衆とも話をしながら進めていました。集中してガツガツ作っているのではなく、リラックスして和気藹々と、という感じでしたね。


観衆の人たちも真剣に食い入るように見ているという より は、思い思いにリラックスして眺めている感じでした。 会場の出入りは基本的に自由だし、後ろの方で立ち話をしたり、ラップトップを広げてメールだか何だ かやっている人もいたし。 コーヒーやコーラやお菓子なども用意されていて、まったーりやってました。

会場の構成は、真ん中に4人がいて、その両サイドにでかいスクリーンがあるという配置でした。 スクリーンがでかいので操作の内容はそれなりにちゃんと見 れました。  案内役の Alex さんがスイッチャ役の人に「Brad のスクリーン出して」 みたいに指示すると、スクリーンの映像がそのモニタに切り替わるという仕組みでし た。 できれば同時に4人のスクリーンを見たかったのですが、そりゃ贅沢か。




今年のお題は、ジョ ルジュ・メリエスさんが作ったSF映画の古典「月 世界旅行」のオマージュとして、ロケットが月にぶち刺さるというショットでした。 このジョルジュさん、多重露光・ディゾルブ・ストップモーショ ンの原始的なもの、などを開発したそうです。 ええっ、そんなに重要な人だった のっ。 勉強不足でした Orz

月世界旅行の製作は 1902年と古く、著作権がもう切れているため、インターネット上で見ることができます。

     これは日本語字幕付き。 →


ほう~ 初めて見たよ。 この動画の 6:05 あたりの場面が今回の Production Challenge のお題になりました。







会場に到着した時点でモデリングはほとん ど終わっていたのではっきりしたことはわかりませんが、Greg さんがモデリングと、フェイシャルアニメーションの Shape 作りを担当していたんじゃないのかな。


      ZBrush も使っていました。 →

Todd さんはもっぱらパーティクル関係(雲)の担当だったように見えました。 ICE + 新しいヴォリュームシェーダをいじってました。

エミッタに板ポリゴンを用意して、画像テクスチャを貼り付けて板ポリのどの位置からパーティクルが発生するかを決めて、あとはそのパーティクルにボリュー ム シェーダを割り当てて調整、という風に見えました。
Brad さんはリギングや、フェイシャルアニメーションの Shape ではなく Envelope の部分をやっていたように見えたのですが、どうでしょう。

David さんもアニメーションがらみの作業と、全体の統率をやっているように見えたのですが、どうでしょう。

最初を見逃しているので、4人それぞれの役割がいまひとつ最後までつかめなったんです が・・・・・。


Brad さんは繰り返し、「次々に出てくる問題の解決こそがカギ」 のような意味をことを言っていたと思います。 今回の場合で言えば、フェイシャルアニメーション か何かの都合で Greg さんが顔のポリゴンの構成を変更したい、もしくはもう変更しちゃった、とか言い出して、それだと Brad さんの Envelope の作業的には困るから、じゃあ Gator しよう、とか、まあそんな感じなんですが、要は問題の解決です。 純粋にモデリングの調整やらアニメーションの調整など「アーティスティック」な部分だけ では映像は完成せず、必ず出てくる「問題」をどう解決するか、あるいはいかに早く解決するかということの重要性を言っていたのだと思います。

実際、この 4人なら全ての作業が迷いなく進められるのかと思いきや実はそうでもなく、途中で色々と問題が出てきてました。その都度、4人であーだこーだしたり、客に 意見を聞いたりしながら、解決していたように見えました。

英語がよくわからなかったので何のためかは不明です が、 XSI男くんも出てきました。 Shape と Envelope を組み合わせたフェイシャルリギングの説明だったのかなあ。
このお方は、おそらく Adam Sale さんだと思います。 もう販売は終了していますが、3DTutorial.com の Advanced Character Rigging のシリーズを作った人です(以前こ の記事でも触れました)。 このチュートリアルビデオはスヴァらしいですよ。 今まで買ったうちで間違いなくベスト1です。 彼のサイトも昔よくお世話 になりました。

ってことでいわば彼の大ファンなので、是非挨拶したいと思ったのですが、彼も有名人だからか、色んな人との立ち話が途切れず、残念ながら話をするタイミン グ が取れませんでした。

彼はステージに上がって何してたんだろう? たぶん、Brad が何か問題にぶち当たって、解決方法の相談に乗っていたのだと思います。
そうこうしてるうちに XSI 様が瞑想に入られました。

よしゃー やっぱこうじゃなきゃあ!
XSI だもんね!

Brad さんは、スクリプティングの重要性も話していましたね。 ちょっとした操作や何度も繰り返し出てくる操作を、ほんのちょっとのスクリプト知識があれば大幅 に簡略化することができて、プロダクション作業においてこれででかい違いになる、と。
まさにその通り。 3クリックを1クリックに節約できるだけでどれだけ効率が上がっているかは、一度簡単な自作プラグイン/スクリプトを作って普段それを 使い込み、ある日突然そのプラグインをアンインストールしてみれば一発でわかります。

Brad さんは何やらその場でパパッと Python スクリプトを書いていました。どうやら ぬるぬる と同じことをやるスクリプトのようでした。

こういった効率化のためのツール開発作業に手間・時間・コストを割いてくれる環境、あるいは評価してくれる土壌が日本にも育って欲しいものです。ほんと。
後半、Greg さんが出してきた月。 なかなか良い質感とライティングです。 会場からは拍手がわきました。



途中の休憩時間に Todd Akita さんにご挨拶。 
前回、 NY の PSYOP 訪問のときも超親切に対応してくれたんだけど、今回も変わらず超親切で。 後日の NICE ICE の時もとてもよくしてくれました。 PSYOP LA でバーベキューパーティーをやるから来てよ、みたいに、いちいち誘ってくれるんだよね。 残念ながらその日は Lucas ナイトに参加するため辞退しましたが、また何かあれば必ず誘ってくれそうだから、次回こそ行こうと思いました。  ヤヴァイなあ、この人、いい人すぎる よ。

PSYOP T シャツ欲しいなあ。 あの 80年代ハードロック/へヴィメタルバンドのレコードジャケットみたいなやつ。 今度ねだってみようかなあ・・・・。  ちなみに俺は、昔なつかし SIGGRAPH 1998 の時にもらった Softimage User Meeting のTシャツを着ているのですが、誰にも指摘してもらえませんでした Orz





そうこ うしているうちに、時間切れ。 実は最後はもう、グダグダになってました。 観衆がいるイベントだから黙々と作っているだけじゃなくて解説もしなきゃ、 という感じで Brad さんは色々しゃべろうとするし、でも問題は出てくるし、すぐには解決しないし、時間も遅くなってきたし、疲れてきたし、観衆の集中力も切れてきて立ち話と かいっぱいしてるし、必ずしも「イベント終了までに絶対に完成させる!」 という緊迫感の中でやってるわけじゃないし・・・・・。

 もともとレンダリングは夜中に回すことを前提にしていたので、イベント終了までに最終画像が完成することはないわけですが、それにしても、い かにもまだ作業途中!っていう所で19:00頃だったか、いきなり会場にどどーーん とビールが振舞われて、そのまま流れで雑談宴会に突入~。 こうして Production Challenge は終了しました。

Softimage さん、ビールごちそうさま。 でもアメリカのビールは薄くてダメだね。 4本飲んでも酔えなかったよ。


そして完成動画。


Softimage "Paris to the Moon" final results from Production Challenge 2008 from Softimage on Vimeo.

いやあ、上出来ですよね。
会場で最後に見た状態から明らかに進歩しているので、おそらくはあの後、必死で仕上げの作業をやったのでしょうw
それを差し引いても、上出来です。少なくとも俺+うちの若いのだったら、4人で2日かけてもここまでは出来ません。

ちなみに完成動画の中でロケットがぶち刺さった後に月が Oh! なんたらかんたら~! と喋っていますが、これは Production Challenge の会場で観衆から志願者を募ってその場で録音したものです。 David さんが「もっと怒っている風にしゃべってみて!」とか何度もリテイク出していました。


そして 後日、SIGGRAPH 会場内の Softimage ブースで完成バージョンのお披露目になりました。 以下はその時の写真。

Softimage のブースに登場。

ビッグ4の皆様も登場してくれました。

Todd さん担当の雲パーティクルの部分。

解説と作品上映。

BA ヴォリュームシェーダの解説もありました。

雲部分の氷ツリー。


音楽と 効果音は、ホテルの部屋にこもって必死にインターネットで探してやっと付けた、という意味のことを Greg さんが言っていたと思います。 紹介や上映が終わったあと、解説好きの Brad さんがシーンについてかなり丁寧に解説してくれてました。


以上。


いやーー、面白かったですね。 英語がちゃんとわかればもっと面白かったんだろうなあ。
来年も是非参加したいですね。行けるといいなあ。



っていうかこれ、面白いから日本でもやりましょう。
このビッグ4の皆さんを招くことができればそれでもいいし、もちろん日本人でもいいし。

ひとまず、職場で 「勝手にプロダクションチャレンジ」 でもやってみたいな。 簡単な1ショットをみんなで1日で完成させるってやつ。 よし、今度計画しておこう。



あれ? よく見たら、この作品の XSI データが丸ごとダウンロードできるんですね?
Softimage|NET のページの、最初の書き込みの、一番下。
http://community.softimage.com/showthread.php?t=1991

おおう、スヴァらしい。 研究させてもらうことにしよう。




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