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2008年8月29日 (金)

複製戦争。

スターウォーズの The Clone Wars は観た人いますか。やっぱり観にいかないとダメですかね。 DVD にしようかなあ。


公式サイト。大音量で音楽流れたりする行儀の悪いサイトなので注意。
http://starwars.com/clonewars/site/index.html
映像が大量にあがってます。

日本の公式サイト。
http://wwws.warnerbros.co.jp/clonewars/
本家の公式サイトと比べると中身はスカスカです。



先日の SIGGRAPH で、Production Studio Nights だったかな、そういう名前の企画が3日連続であって、初日の PIXER は NICE ICE と日程がカブってしまったので断念しましたが、2日目の Stan Winstion 追悼ナイトと3日目の Lucas ナイトは参加してきました。Lucas ナイトでは The Clone Wars の先行上映がありました(米国公開開始の前日)。 SIGGRAPH 会場である LA コンベンションセンターのすぐ近くにある Nokia Theater という映画館?で、トークショー+上映会という感じのイベントです。 しかしこの Nokia Theater、でかいし綺麗だしスクリーンの解像感がすごく良いし音響もいいし、スヴァらしいシアターでした。


Lucas ナイトでは、最初にいきなりストームトゥルーパーが出てきて客席に向けて発砲してました。無差別テロです。

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Tシャツか何かを撃ってたんだと思います。テロの犠牲者たちはクレクレとこぞって騒いでいました。自分は後ろの方の席なので射程距離外でした。長距離砲も用意しとけやゴルァ。 っていうか、スカート履いてインチキくさいマスクかぶったストームトゥルーパー志願兵みたいなお前、誰だよゴルァ。


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その後兵隊さんたちがいっぱい出てきて、おっさん二人が出てきて。

で、スクリーンの前のソファに座ってトークを始めました。左は John Knoll さんです。ILM の VFX スーパーバイザーさんですが、そんなことより我々にモロ関係しているのは、彼は Photoshop の開発者(のひとり)ということですね。 Light Factory も。 この2つなかったら仕事になりません。 Knoll さんビールおごりますよ。 もうひとりのおっさんは Dave Filoniさんで、The Clone Wars の監督さんです。

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で、肝心の話の内容は、英語わかりませんでした Orz

その後の The Clone Wars の上映の間は、半分以上寝てました Orz


いやあもったいない。せっかくタダで(タダでもないんだが)観れたのに。 いやね、だってね、夜遅いんですよ。上映が始まるのが 20時半だか 21時近くでね。 丸一日 SIGGRAPH の会場歩き回ってぐったり疲れてるところに、日本の映画館よりもゆったりと広いあの座席に座ってね、字幕もない英語の映画を観てるとですね、眠くなるんですよ。 終わってホテルにたどり着くともう 23時とか 23時半ですからね。しかも連日。 Lucas ナイトは木曜日だったので LA に来てもう5日目、時差ヴォケはさすがに克服してたけど、疲れが溜まってきていてね。 という言い訳をしてみるテスト。



でも寝ていなかった間に観た映像の感想を書くとですね。

 ・密度感/大作感はさすがスターウォーズだけある。 イカす。
 ・アニメーション(動き)は、実にショボい
 ・キャラクターデザインは、日本人好みではなさそう

という感じですかね。 あと、上に Nokia Theater の音響が良いと書きましたが、この The Clone Wars の音はちょっと割れたりして、うるさい感じがしましたね。シアター側の設定の失敗なのか、なんなのか。

でね、この動きのダメさはどうにかならんもんですかね。 これはこの作品に限らず、他の大作映画とかでも同じことが言える作品がいっぱいあるんですが・・・。 The Clone Wars の場合は特に、映画の続きを TV シリーズでやることになってるわけで、TVシリーズになったらますますショボい動きがいっぱい出てきそうな悪寒がしているのですが・・・。

飛行機や宇宙船が飛んでいる動きとかは、まあ、そんなにひどいわけではないような記憶があります。問題なのは人間、あるいは人間に近い形をしたメカやクリーチャーですね。 

特に、「立っていて、しゃべった後、走り出す」 の 「走り出す」ところとかね、「着弾を避けようとしてサッとジャンプする」の「ジャンプ」とかね、 「撃たれたり引っ張られたりして、吹っ飛ぶ」の「吹っ飛ぶ」ところとかね。 要は「動き出し」とか、あるタイミングから動きが違うベクトルになるとか、そういう 「変化」 の部分の動きがとても不自然なんですよね。 重さを感じないのは言うまでもなく、もっとそれ以上に、なんというか、カクっと変なんですよね。

アンティシペーションのまずさ、かなあ。 全般には、動きの変化の部分でクイックすぎるという印象がありますが、だからと言ってその部分をもう少しゆっくりにしただけでスヴァらしく良くなるとも思えない。 やっぱりアンティシペーションなりムービングホールドなり、動きの始まり・終わり・変化の部分での挙動、もしかしたら重心、などへの意識が低いんじゃないかなあと思うわけです。 腰(重心)が描く運動曲線も、リニアというか、最短距離っぽいのかなあ。あえてそう見えるようにわざわざこの動きにしているとも思えないから、やっぱり意識が低いのではないか。エラソーですいません。  これを確かめるために、また観ないわけにもいかないなあ。  ま、公式サイトにもいっぱい映像が上がっているので、それ見ただけでもこのショボさはわかると思います。

ヂョーヂルーカスさんも製作総指揮なんだから、全編に渡ってちゃんとチェックしているはずだと思うんですがね。 ルーカスさん、この動きでほんとにいいの? あんなにスヴァらしいサーガを生み出してきたあなたが? どうせTVシリーズになるんだから、なんて思ってませんか?



個人的には、この映画のショットで動きがショボいこと自体は別にいいんです。 問題は、この映画がスターウォーズだということ。 これを観た人は、特に映像業界と関係のない一般の人や、あるいは newbie や wanna-be な人たちは、スターウォーズだというだけで 「わあ、やっぱりすげぇ さすがスターウォーズだあ」 って思うでしょうからね。 そうなると、どんどん業界の質が落ちていくはずなんですよね。それが嫌で嫌でしかたない。その結果、本当に能力を持った人たちの立場が、相対的に悪くなっていくはずなんですよね。

たとえば Pixer の映画だと、(動きの毛色は違うものの)こんな動きのまま公開する映画なんてないですよね。 それくらい意地とこだわりがあると思うんですが、ルーカスさんの会社にその意地とこだわりが無いとも思えないんだよなあ。どうなっちまったんだか。


この映画のショットを実際に作っているのは ILM ではなく、Lucasfilm Animation Singapore ですね。 Lucasfilm がシンガポールに作ったスタジオです。 最近はシンガポールがアジアのCGの中心地のような扱いになってきているようで、初の SIGGRAPH ASIA もシンガポールで開催されます。  The Clone Was の場合、Lucasfilm Animation のカリフォルニア部隊がストーリーやキーになるシーンを作って、それをインターネット経由でシンガポール部隊に送り、シンガポール部隊が大量生産、というワークフローのようです。台湾の CGCG も参加しているようです。 ツールは Maya を使っているようです。 Autodesk のプレスリリースに書いてました。
http://pressreleases.autodesk.com/index.php?s=press_releases&item=462

「カリフォルニアとシンガポールと台湾で24時間営業体制。結果、1週間に平均8分の完成ショットが出来上がる」とかなんとか書いてますよ。 うーむ、恐ろしい体制だ。 この大量生産体制がショットのアニメーションをショボくしているのかどうかまでは判りませんが、まあ関係ないとも言えないでしょう。 CGCG は昔、仕事でちょっとだけ関係したことがありましたが、動きやレイアウトという意味では非常にショボかった記憶があります。 昔のことなので今はどうなってるかわかりませんが。

この記事を読むと、人を募集しているようですね。 確かに今回の SIGGRAPH でも、 Lucasfilmのブースで「ジェダイアカデミー」と称した新人育成プログラムの説明をやっていました。 Lucasfilm に入るにはどうすればいいか? みたいないわば就職説明会で、若い人がいっぱい集まって説明を聞いていました。 アニメーションの腕に覚えのあるあなた、是非応募して下さい。あの程度でいいのなら、楽勝で毛唐どもを蹴散らせますよ。大日本帝國万歳。けけけけけけ。



エラソーでほんとすいませんが、ほら、なんてったってスターウォーズなんだからさ。
うちらとはステータスが違うわけでしょ。
その辺の小さいスタジオが、深夜番組のCG作ってるのと違うんだからさ。
影響力ありすぎるんだからさ。
アレが良いものということになっちまったら、ほんとに今後、そういう水準になるよ。
ルーカスさん、たのむよ。
小学生の時にTVで最初のスターウォーズを観た時の興奮を、俺は忘れてないよ。
夢を壊さないで、お願い。



日本は人件費の問題と、英語が通じないという問題から、シンガポールのような立場にはなれないと聞きます。 ううむ、シンガポールに就職もいいけれど、これらの問題が解消されれば日本に居ながらこういう作品に参加するチャンスもできて、結果的にもっと良いものが出来上がると思うんだけどなあ。 Lucasfilm Animation Kichijoji とかどうですか。



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