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2008年7月30日 (水)

ナナちゃんの裸うんち。

いやあ、面白かった。面白かったというのは、ええと、なんというか、

突っ込みどころ満載。

真面目に思ったのですが、これを見て七を買いたくなる人はいるんでしょうか。いや、七はきっと良いソフトウェアだと思うんですけどね、デモがあまりにもね、ちょっとね。


どうでもいいことから突っ込むと・・・。
いよいよイベントが始まり、あの巨大なスクリーンに堂々と映し出される XSI7 ラウンチイベントの文字! MSゴシックフォントかよ! いや、違うフォントかもしれないけど、まあ、ともかく見栄えを良くしようという工夫やセンスのひとかけらも見えない、実に事務的なタイトル画面でした。苦笑するしかなかったという。

記憶を頼りに、その画面を再現してみました。

Xsi7launch_title

ちょっと違うかも知れないけど、だいたい雰囲気は出ていると思います。



そして Softimage の副社長が出てきて基調講演みたいなのをやってましたが、実に退屈でした。「Softimage はこれまで常に最先端を走ってきましたが、今回のバージョンでさらなる・・・」「我々はユーザの声に常に耳を傾けます。みなさんの素晴らしい才能無しには Softimage は成り立ちません」みたいなそういう話。

で、話の中身は先日の全世界同時発信オンラインラウンチイベントのムービーでしゃべってたことと全く同じ。同時通訳が入ってテンポ悪くなった分、オンラインのよりもさらに退屈でした。せっかくネット上じゃなくてナマなんだから、もうちょっと面白くするよう工夫して欲しいなあというのは望み過ぎですか。 なんか日本のユーザが重要視されてない気がしちゃいますよ。 ノリノリで話をしてくれればまた違うんだろうけど、まるで小学校の校長先生がPTAの前で喋っているようなそんな感じでした。事務的かつ社交辞令的かつ美辞麗句のオンパレードで。あんなコトバの羅列で日本のユーザが「おお! Softimage スヴァらしい!」とか言うって、本当に思っていますか? ちょっとナメてないですか。

まあ、こういうビジネス的な話はこういうもんなんでしょうかね。しかたないですかね。翻訳が入る分どうしてもテンポ悪くなってやりにくいのはあるでしょうがね。それにしてもねえ。 昔 SIGGRAPH で Softimage のユーザイベントに出たときは、なんかもうお祭りみたいな感じで楽しかったんですがねえ。



その後の氷を中心とした七のデモは・・・。うーむ、突っ込みどころ満載過ぎて、参ってしまった。

まあひとことで言えば、全然ビビらねえ。 いや、氷はすごいと思いますよ。でもね、インターネットで氷の画面はすでに色々見てるわけですよ。 ネット上で小出しに餌を撒いてじらしておき、ナマのイベントでどどーーんとすごいのを見せてくれるのかと思って期待していたわけなんですがね、出てくるもののほとんどが それネットでもう見たよゴルァ のネタでね。

そもそも、初っ端「氷で作る Push デフォーマ 」ですからね、これには笑いましたよ。 いや、氷のコンセプトを説明するにはシンプルでいいネタだとは思いますよ。でも、これって講習会じゃなくて発表イベントのデモでしょ? 最初にすごいのをどどーーーん!と見せてビビらせて、その後、これは氷でこんな風に作れるんですよーって簡単に説明するとか、そっちの方がいいんじゃないですかね。 なのに、最初のパンチが、

 プリミティブのトーラスを法線方向に Push  Orz

これ見て「キャー ステキっ」って叫んでXSI 欲しくなるとでも思っているんか Softimage。

ちなみに、そのときの様子を XSI6 を使って忠実に再現してみました。これ↓が、驚異の新テクノロジー ICE を日本のユーザに発表する、記念すべき第1発目のデモ画面です。

Xsi7launch_push


他にもね、パーティクルシミュレーションとデフォーメーションの組み合わせをやります、とか言ってエイリアン君を箱に分解して崩した瞬間に次のデモに進んだりとかね。デフォーメーションやってねえよヲイ。  氷で作ったツブツブはそのままじゃ仕事にならないのでどうレンダリングするかがとても重要だと思うんだけど、BA が搭載されましたって言うのでやったーと思ったらその辺はサンプルムービーを1つ2つ見せるだけでサラッとスルーしたりね。しかも必ずしも超ハイクオリティなサンプルじゃなくてね。FumeFX のサンプルみたいな、見た人が一瞬でげげっと唸るような絵を作っておこうという気持ちは、さらさらないのでしょうかね。

TDさんじゃないアーティストさんたちは、他人様の作った氷のノードを使えばいいんですよー 自分で作るんじゃなくて使うだけだから簡単ですよねー とか、ずっとそんなこと言ってたし。 ええっ そんな安易でいいんかいっ。 葉っぱ(に見立てただけの、ただのグリッド)がひらひらと落ちるのを見せて「葉っぱでもう悩む必要はないですね」だかなんだか言ってたなあ。その姿勢、どうよ。 だって、Foundation を切り捨てて、30万円以上も出さないと買えないソフトウェアにしたんでしょ? 少なくとも、昨日3DCGを始めたばかりです、って人を対象にしてるつもりはさらさらないんでしょ? だったらさ、基本セットアップが簡単にできることはもちろん歓迎するけど、その後の調整がどれだけ効くかをデモしないと意味ないじゃない? プロが仕事で使うんだからさ。  「この葉っぱ、地面に落ちたらこういう挙動にしたいので、こう設定しましょう」とかね。 「みんな同じ落ち方なので、乱したいですね。じゃあこうしましょう。この部分だけ広がりすぎますね。じゃあウェイトマップをつないでこう制限しましょう」とかね。 そういうのを、簡易でもいいか見せてくれれば良かったんですがね、「これそのまんま使ってください。簡単でしょう?」って、そういうデモでしたね。

XSI 様が想定していた挙動をしてくれなくて(氷のノードを接続しようとしたら Type Mismatch で怒られたり)デモが上手く進まないのも、準備不足・理解不足を露呈してしまっていますよねえ。しかも他のスタッフ、誰も原因わからないの? ヘルプしてあげらんないの? という感じ。 しかもそれをギャグでごまかすのもどうかなあ。 「へへへ、まだちゃんと理解してないんですけど、まあ許してね」 とか 「へへへ、ちょっとまだ不安定なんだけど、ほら、XSI だからね、へへへ」 みたいな姿勢が見え隠れしている気がしちゃって(台詞としてそういう言葉を言ったわけでは決してありませんが)。  日本のユーザってナメられているのかなあ。 こっちは命がけで仕事しているんだけどなあ。

その他、触れて欲しかったのに触れられなかったことは、BSP2 の話、ガンマの話、SDK まわりの話。  逆に良かったのはパーティクルシミュレーションのキャッシングと Mixer での調整。これは良さそうで嬉しかったっす。 それとデモ中、1回しか XSI様がクラッシュしなかったのは驚きでした。これも嬉しかったっす。


とまあ、Softimageさんも大変でしょうが、全体的にもうちょっと質の高いデモにしてくれないかな、と正直思いました。日本のユーザはそこまで低レベルじゃないよ、って言いたい気分です。 同じデモを例えばアメリカやカナダでやったら、ブーイング出るんじゃないでしょうか。




その後の The Mill の講演はなかなか良かったです。こちらも翻訳の問題がアレでしたが、内容はかなり濃いものを見せてもらったと思います。

1分45秒、55カット、12種類のキャラクタ、3つの違う場面という内容のCFを2ヵ月半で作ったというんだから、こりゃすごいですわ。ビビりました。 まあ、そんな内容をそんな期間で作ってしまうから我々の状況が更に悪くなるんですけどね・・・・。

とにかく大急ぎでした、というのを前面に出していましたね。省力化のために男女1体ずつの素体を作りそれを使い回して各キャラを作ったとか、リグは1日で作ったとか、Gator 使ったとか。
パッと見は、何か特別なやり方を開発したわけではなく、ごくスタンダードなキャラクタアニメーションのワークフローとパイプラインで作ったように見える講演だったので、各アーティストの能力の高さや分業の徹底などが、この期間で作れたキーのように思えました。 唯一カスタムツールを使ったのは、孔雀の羽根に独自のダイナミクスツールを使ったようなことを言っていましたね。昨日乳揺れの実験に使った MT の Spring のようなツールに見えました。

そのCFはこれ。
http://jp.youtube.com/watch?v=ck14LKBI9GM

全体の迫力や完成までのスピードに脱帽ですが、ううむ、俺が言うのもどうかと思いますが、アニメーションがちょっとアレですね・・・。Mill ほどのスタジオならもっといい動きにできるはずじゃないですかね。時間なかったとは言え、この動きじゃなあ・・。 例えばですが、 Mox-motion さんが動きを担当したら2倍は良くなるはずだと思いました。エラそうですいません。


次のサッカーのやつ(Puma)では、ポーズごとにTシャツのシワを ZBrush で作っておき、キャラクタの手の位置を Expression で読み取って Displacement のウェイトをドライブしていた、というような説明がありました。なるほどなあ。考えたこともなかった。テンションマップとかよりも制御効きやすそうだなあ。
(ちなみに翻訳では「Tシャツは ZBrush で作りました」とか意味不明のことを言っていました)

http://jp.youtube.com/watch?v=TSuxGyVjcXM

でも、やっぱり動きが・・・。アニメーション苦手なスタジオなのかしら・・・。
それと、Massive 使ってとんでもない数の観客を置いていると言っていたな。でも動画を見ると・・・。 大半の部分は板ポリでいいんじゃない?

ま、全体的には、想像してたよりも突っ込んだ解説があって面白かったっす。ただ、翻訳の問題だけはどうしようもないかなあ。同時通訳の人がCGのことを良く知っていればいいんでしょうが、それはさすがに無理だよねえ。 Envelope とか Gator とか XSI の用語はもちろんわからないみたいで翻訳せずにスルーしてたし、Expression みたいな一般名詞なのか固有名詞なのかわからないものは一般名詞として翻訳してたり、Maya ってコトバも意味がわからなくて聞き直してたなあ。そこまで求めるのは酷だと思うけど、我々聴衆は技術的に突っ込んだ所が聞きたいわけで、そこが上手く伝わらないとせっかくの講演も価値が下がってしまってもったいない。Mill に日本語が話せるスタッフがいれば良かったんでしょうけどね。


懇親会は人が多すぎてごちゃごちゃでした。でも、初めてお会いできた方もいたし、久しぶりに会った人もいたし、ありがたかったです。 お土産にうちわをくれたのも嬉しかったです。こういう日本風にアレンジしたグッズ、好きです。


ってことで、七のデモがアレでした、ってのが今回の大きな印象ですかね。会場が立派で画面も巨大で見やすかっただけに、その対比がなんとも・・・・。

ま、今回のデモがアレだったというだけで、きっと七はスヴァらしいソフトウェアなんだと思います。来月 SIGGRAPH でどんなデモをやるのか、しっかり見てこようと思います。




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コメント

キャー ステキっ(棒読み)

・・いやはやラウンチイベントはとても素晴らしいものでありましたね。
某Fndスレに適当フィードバック書きましたが私と違ってちゃんと聞かれてますね。
*トーラスの件は大阪の人たちに驚いてもらおうと書かないでおきました。
XSIに限らずですが日本の代理店の方と製品の話をしていると感じるのが
自社で扱っているブツの理解不足・相手を惹きつける話し方のヘタさですね、
今回は久しぶりの超超スヴァラシイ機能だったから
緊張してうまくプレゼンできなかったんですよ。そうですよね?、Avidさん。
懇親会で話したAvidのMichaelさんからはXSI7が如何に素晴らしいかを確認できたので
一安心といったところです。
SIGGRAPH行かれるんですね、素敵なレポート楽しみにお待ちしております。

投稿: XSI男ファン | 2008年7月30日 (水) 23時18分

XSI男ファンさま、 そうか、大阪はまだなんですね。考えてませんでした。もう1日あとに書けば良かったか。まずかったかな・・・。

でも書いてしまったものはしようがない。開き直りましょう。

大阪のみなさま、すごいデモが見れますよ!
もしかすると東京よりも、トーラスの分割数がアップしてるかもしれないですよ!



ところで Avid の Michaelさんとは、Softimage の Michael Isner さんのことでしょうか?
この人?→ http://www.xsibase.com/articles.php?detail=15

デモの時には見なかったけど懇親会の時にそれらしき人を見かけて、もしかしてこの人、あの人では?って思ってたんですけど。
このお方はXSIの中で日常的に使っているツールの開発に直接深く関わっているお方だと思うので、いつかご挨拶させて頂きたいと思っていたのですが・・・。


投稿: junki | 2008年7月31日 (木) 02時06分

うむむっよくその方だと分かりましたね、大当たりです。
今名刺見直したらでかでかとSoftimageって書いてありましたね、ミスですorz。
イベント終了後にフクシャチョーに突撃してテクニカルな話したいんだけど
誰か来てないの?と尋ねたらこのナイスガイを紹介されました。
なんでこの人が来ている事を一言も紹介しないんだこの野郎って思ったくらいに
ためになるお話を聞けました、普段から各地でプレゼンをこなしているってのに
なんでJPのイベントでは壇に立たなかったのでしょうか、代理店の陰謀か!?

大阪イベントへ行かれる方は是非このナイスガイに突撃してください。
XSI7に限らず今抱えている問題やら疑問の答えを引き出してくれるかもしれませんよ。

投稿: XSI男ファン | 2008年7月31日 (木) 13時20分

XSI男ファンさま、そんなに美味しい話を聞けたのですか。許せません。ビールおごって下さい。
っていうかご自身はブログなどお持ちではないのでしょうか。色々情報を公開して下さい。
っていうかビール飲みに行きましょう。


ちなみに、Michael さんのお姉さんだか妹さんだかわかりませんが、御親族の方も Softimage で働いているんですね。
http://www.xsibase.com/articles.php?detail=77

かわいいよジルさんかわいいよ。
今度日本に来てね。
ビールおごるからね。



投稿: junki | 2008年7月31日 (木) 14時18分

今頃は大阪でも阿鼻叫喚の地獄絵図がトーラスによって展開されているのでしょうか、
もしかしたらXSI男がPushされているかもしれませんね。
>っていうかご自身はブログなどお持ちでは~
筆不精な私はblogなんて立ち上げるだけで一度も更新せずに終わりそうなので
残念ながらありませぬ。2chにはSumatraの頃からちまちま書いてますが
公開するほどの知識なんてないですよ~
おもしろそうなもの見つけたらここにもコメントさせて頂きます、ではでは。

投稿: | 2008年7月31日 (木) 17時27分



大阪方面の皆様、トーラス阿鼻叫喚地獄絵図を、是非報告してください。




XSI男ファンさま、では次回イベントで Michael氏を見つけたら是非僕に紹介して下さい。



投稿: junki | 2008年7月31日 (木) 19時45分

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