« 咲き乱れる。 | トップページ | imf_disp。 »

2008年3月20日 (木)

未来はない。

                  
最近レンダリングが速くて、まったく休めない。
      
約50カット、モーションが完成・確定し、あとはひたすらレンダリングという状況。出てくるキャラクタが固定ならいいのだが、カットによって結構違う。ま た、カットごとに特定のマスクを出さなくてはならないことが多い。つまりシーンレベルであらかじめ完成形に近い Pass 分けをしておくことが難しく、結局どれかのキャラクタのPass分け済みシーンをベースにそれ以外は Model でインポートして、Pass 分け作業はその都度やるという、まったくもっていつものことながら、まったくもって非効率なワークフローになる。
      
K1 しかも今回は準備が非常にまずく、レンダリングに関する検証が不十分なまま見切りでモーション作成作業に入ってしまっているため、レンダリングする段階で やれこのマテリアルはまずいだのやれUVを差し替えなきゃいけないだのやれライトを Assosiate しておくの忘れただのやれXSI様が瞑想に入ってしまわれただの、いっぱい問題が出てきてしまった。結果、各シーンでレンダリングの仕込みをするのに、意 外と時間がかかるのである。
      
      
      
キャラクタのリグが固定なら話は比較的簡単で、Passやらマテリアルやらライトやら、レンダリング用に正しく設定されたシーンを1つだけ用意しておき、 モーション済みのシーンからモーションだけを移植してきて、ライティングをいじったらあとはせいぜい解像度やフレーム数やファイル名などの設定をしてレン ダリングを回すだけで良い。
      
K2 しかし今回はここでも準備が悪く、途中何回かセットアップを更新せざるを得ない事態になってしまい、もはやモーションを移植できなくなってしまった。ま た、これは最初からわかっていたのだが、カットごとに必要となる特定のモーションを付けやすくするために、ベースとなるセットアップは同じままでもリグの 一番表層にあるコントローラ達を大幅に組み替えながらモーション作成してしまったので(いつものことだが)、やはりアニメーションの移植は難しくなってし まっていた。
リグのどこかの階層で Plot かますことも考えたが、めんどくさいのも大いにあるし、危険も感じたのでやめた。すでに手描き用素材作成用にアタリとなるモーション=つまり動きとしては 完成されたもの、を出してしまっていたので、手でマスクを切る(組み)ことになっている部分では少しでも違うモーションになってしまっては困るのである。 時間がないこの段階で、Plot その他でモーションが寸分違わず移植できるかどうかの検証をしている場合でもなかった。そもそもリグの最下層部分すら更新されているものも多いのだから、 こうなるとジオメトリレベルでの移植、つまりポイントキャッシュ的なことでもしない限りモーションの移植は無理そうに思えた。んでもってそんなこと、過去 にまだやったことないのである。時間がないから実験が必要なことは避ける。避ける避ける。リファレンスモデルだかデルタだかも、全く研究していないため見向きもせず。これもいかんな。
      
      
      
      
ということで、結局はシーンごとにフツーに手作業することになる。
      
マテリアルを差し替えるものは、全部のシーンでマテリアルの Preset を読み込んできて差し替える。テクスチャがあるものはいちいちレンダーツリーの中でUVを選択し直してやる必要があったりもする。UVを差し替えるものは 全部のシーンでマスターとなる Model を読み込んできてUVのコピペをやる。K3 エンベロープされたオブジェクトそのものを差し替える場合には、一度モーションとポーズを Action として保存しておいた上でデフォルトポーズに戻り、差し替えるオブジェクトを削除なりミュートなりして、Model で読み込んだオブジェクトをエンベロープして、あらかじめ保存しておいたウェイトのPreset を適用した後 Action からモーションを戻すとかやってるうちにエンベロープがぐちゃっと壊れてこれはきっとこのデフォーマは他のエンベロープのデフォーマにもなっていたんだな などと思っても後の祭りでもう一度やり直すことになりしかたなく該当するデフォーマは複製+コンストレインによって新しいエンベロープのみを変形するデ フォーマにしてやったりとかしているうちにめんどくさくなってマシンを破壊する。
ライトとオブジェクトの関連付けも、マスク用の Pass 作りも、フツーに同じ作業を各シーンで繰り返す。多少はスクリプトを書いて自動化したが焼け石に水で、破壊されたマシンの山ができあがる。
      
      
      
      
      
とかいう作業をやっと終えて、レンダリングを回す。レンダリング専用としては6~8台というごく小規模なレンダーファーム。レンダーファームなんて呼んだ ら本物のレンダーファームが裸足で逃げそうな、レンダリングマネジメントシステムのようなものはなーんも入っていない、ただ単にネットワークでつながって いてXSI がインストールされているだけのマシンたち。K4 バッチィなど自作のツールで吐き出したバッチレンダリングのリストを食わせるだけ。マシンの前に行くのはめん どくさいので VNC でリモート操作。レンダリング専用ではなくとも空いているマシンがあれば、参加させる。
      
      
ふう。やっとレンダリングできた。休憩する。少ししてから、次のカットに取り掛かる前にレンダリングが落ちていないか念のため確認してみる。するとマシン は働いていない。なにっ、また XSI様が瞑想に入られたかっ、と思いきや、もはやレンダリングが終わっているのである。
      
一番重いシーンの一番重いPassで、1枚8分くらい。72枚レンダリングするカットだと576分かかることになるが、10台で回すと10分の1、つまり 約1時間で終わることになる。しかしこれは最も重い場合であって、それなりにオプティマイズした甲斐があったのか今回は1枚2分程度のものが多かった。そ うなると15分で終わってしまうのである。
      
げげっ。マシンを遊ばせてはもったいない。ただでさえ時間がないのだ。焦って次のカットに取り掛かる。仕込み終える。レンダリングを回す。そのまま更に次 のカットに突入する。作業途中、さっきレンダリングを開始したシーンの Render_Pictures をそーーーーっとのぞいてみる。げげっ。もう終わりそう。仕込みを急ぐ。レンダリングを回す。次のカットに行く。そーーーーっとのぞく。げげっ。以下永久 ループ。
      
K5 迫り来る納期よりも、迫り来るレンダリングが恐ろしくてたまらない。タスクマネージャのメータが俺をあざ笑う。機械ごときに早く次のカット仕込めよゴルァと責め立てられる。これは精神衛生上 良くない。非常に焦る。焦るので操作も間違える。操作も間違えるのでなおさら仕込みが遅れる。仕込が遅れるのでなおさらレンダリングに追いつかれる。追いつかれるのでなおさら焦る。以下永久ループ。
      
この様子を、なんとなくテキトーに JScript で書いてみると、
var CutNum = 現在のカット;
for (i=0; i<カット数.count; i++){
    for (j=0; j<パス.count; j++){
        Partition分け(j);
        もろもろ作業(j);
        var Yavai = CheckRender(CutNum -1);
        if (Yavai == true)
        {
            作業スピード++;
            休憩時間 = 休憩時間 * 0.8;
        }
        else{
            一服();
        }
    }
    if (レンダリング時間すげー長い == true)
    {
        帰宅();
    }
    else
    {
        作業スピード++;
        睡眠時間 = 睡眠時間 * 0.5;
        泊まり();
    }
}
function CheckRender(in_CutNum){
    var RenderStats = カットのレンダー状況(in_CutNum);
    if (RenderStats == '終わりそう')
    {
        var Yavai = true;
    }
    else
    {
        var Yavai = false;
    }
    return Yavai;

}


こうして疲弊していくのです。CG屋に安息はありません。安息のない職業に未来はありません。
      
      
      
そもそもの問題は、
      
・レンダリングの仕込みに時間がかかるような、手作業が多いワークフローはよくない
      
これに尽きる。準備不足。検証不足。後からやることが多くなりすぎている。
大規模スタジオのようにレンダリング用のTDの人とか、レンダリングアーティストなどと呼ばれる人がいると助かるのだが、そんなもんは夢のまた夢であり、 全ては自分でやらねばならない。
      
と反省しつつも、最終的には、
      
・最近はマシンが速くてよくない
・デュアルコアとかクアッドコアとか、最もよくない
・メンタルレイもバージョンが上がって速くなったようだから、よくない
・レンダリングに使えるマシンが潤沢にあるのもよくない
・6.5 から Adv のライセンスでバッチレンダリングが合計6本も走ってしまうのがよくない
・仕込み途中に瞑想に入られる XSI様が一番よくない
      
      
これらが我々CG屋を蝕んでいるのだという結論に達しました。
CG屋に未来はありません。



これからはスローライフで行きましょう。
      
      
      
      
      

|

« 咲き乱れる。 | トップページ | imf_disp。 »

コメント

おそろしや~

投稿: xsijapan | 2008年3月22日 (土) 02時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 未来はない。:

« 咲き乱れる。 | トップページ | imf_disp。 »