XSI男。
ここ最近仕事は、ずっとリグのセットアップが続いている。いつものことだが、リグをずっといじっていると早くアニメーションがしたくてたまらなくなる。Fカーブ禁断症状が出てくる。キーフレームの配置に性欲を感じ、Fカーブのハンドルの傾きでエレクトし、キャプチャに向けて興奮の高鳴りはとどまるところを知らず、フリップブックで逝く。 そんな妄想が 1+12 のリピートで頭の中をぐるぐるとかけめぐる。もちろん 24fps で。
こういう願望はアニメーションに限らない。モデリングをやっていると早くセットアップしたくなるし、マテリアルをいじっているとモデリングが恋しくなるし、ライトを動かしているうちに突然 AfterEffetcs を起動したくなり、レンダリングが走り始めると酒を呑みたくなる。CGってそんなもんです。
ひとまずこのアニメーション禁断症状をおさえるべく、仕事を終えて帰宅してから深夜にひとり、XSI 男を動かし始めた。しかし、まったく慰めにならなかった。虚無感と罪悪感だけが残った。自分を慰めるとはよく言ったものだ。全く慰めにならないところが、自慰の本質だ。
XSI男の最期(QuickTime 400k)
作業時間:
モデリング20分~セットアップ5分~アニメーション20分~キャプチャ7秒
作業詳細:
・XSI男そのまんま使用
・デフォルト Biped Rig そのまんま使用
・男オブジェクトに Lattice 追加
・エンベロープに DualQ 使用
・エンベロープウェイトの調整ほぼ無し
・その他工夫無し。ひねり無し。調整無し。
・・・・すいません、なんの工夫も実験も挑戦もありません。したがってもちろん参考にもなりません。ただの突発性発作です。
なんの慰めにもならなかったとは言え、思えばこの XSI男、使わない仕事はないと言っていいくらい毎回使っている気がする。ダミーのアニメーションはもちろん、モデリングの時は大きさの対比のアタリになるし、カメラテストにもよく登場する。ヘタクソな絵コンテやイメージボードよりも、彼を使ったテストショットの方がはるかに監督さんや演出さんに効果的にイメージを伝えられる。彼はいわば、プリプロダクションの主役だ。かわいくもなんともない顔をしてるが、仕事帰りに生ビール1杯(約 500ml)くらいはおごってあげたくなるような、そんな男だ。
たとえ将来 XSI がどんなに進化しても、この男だけは、Get > Primitive に置いといてあげて欲しい。それが無理なら Jaiqua さんのように NetView の片隅でもいい。Moondust がどうたらとか言っているご時世だが、Softimage さん、どうか彼の功績を忘れないで欲しい。彼は働き者だ。縁の下の力持ちだ。決して最終レンダリングには出てこないけど、彼がいなかったらそのレンダリングもできなかったはずだ。いつかモントリオールの本社の中庭に、彼の小さい銅像でも建ててあげて欲しい。ハロウィンかクリスマスの時期には、彼の銅像に noIcon.pic トランクスでもはかせてあげて欲しい。初めてXSI にさわった人に Get > Primitive > Model > Face - Man で無造作に取り出され、スライダ動かされまくってありえないような変な顔にいじられたりしても文句ひとつ言わずに働いているんだ。俺のようなエンベロープウェイトの調整をまじめにやらないものぐさ野郎に骨入れられて右足上げてんのに左足の肉がスプラッタ映画のようにびろろろ~~んと伸ばされても痛い顔ひとつせずに働いているんだ。そしてお行儀のいいことに、デフォルト Biped Rig を、ぴったりサイズで受け止めてくれるんだ。彼は本当に働き者だ。
俺は彼が好きだ。
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